こんにちは! Nishi です。
何事も基本は大事とよく言われます。
頭では理解しているけど、習得する上では単純だけど繰り返し続けなければ、なかなか身につかないものです(^^;
ゴールキーパーにも、シュートを受ける時の基本姿勢(構え方)はもちろんあります。
しかし、この基本姿勢をわかっていない、またはあいまいになっているケースも見受けられます。
先日の当ブログの『ゴールキーパー解説#4』でも取り上げた、札幌の菅野選手のセーブは、基本姿勢に基づいた素晴らしいセーブがありました^^
今日は、基本姿勢がなぜ大切か深堀りして解説していきます。
基本姿勢は手を下におろす
みなさんは、ゴールキーパーの構え方ってどういう姿勢を想像しますか?
この質問されたら、人によって様々な格好を思い浮かべると思います。
おそらく、左のような姿を思い浮かべる人もいれば、右のように手を上げて大きく見せてる姿を想像する人も多いと思います。
実は右の構え方は間違いなのです。
基本的には、手の位置は下に構えるのが正解です。(イラストは左もちょっと微妙だけどね)
一見大きく見せるのはいいことだと思いますが、手の位置を下に構えるきちんとした理由があるのです。
その理由は、シュートの高さによって、ゴールキーパーのボールへの到達時間が違うためです。
※以下データは、斉藤健仁氏著書の『世界最強のゴールキーパー論』から引用
高さには、およそ上方向・真ん中・下方向の三段階あります。
この三段階から横方向に2.1m離れたところから手が届くスピードを計測した結果が、
①真ん中 0.89秒
②上方向 0.92秒
③下方向 0.96秒
となっております。
真ん中は、手の位置とちょうど同じ高さということもあって、やはり一番早く到達できます。
上と下では差がないように感じますが、運動構造上、上に身体を移動させるときに、足の裏でしっかり地面を捉えることができるため、その分上方向の方が素早く移動できます。
下方向への移動となると、その地面を捉える力が伝わりにくくなるので、その分時間がかかってしまいます。
そのため上方向と下方向に到達時間の差がでてしまいます。
この到達時間の差を埋める為に、手を下にして構えるのが基本となっています。
たった0.04秒の違いなんだから、そんなに気にしなくてもいいのでは…っと思うかもしれませんが、秒速25m(時速90km)ものスピードのシュートだと、0.04秒で1m先に進みます。
こう考えると大きな違いだとわかると思います(^^;
また、シュートはだいたい地面のある下から来ることが多いので、下方向に来るボールが多くなります。
たとえば、バスケやバレーは上方向にゴールやネットがあるので、上方向のボールの取り合いになるので手の位置は上方向に構えることが多いのといっしょで、ボールが飛んでくる確率の高い方向に前もって備える意味もありますね
理屈がわかれば、基本的な構え方がいかに大事かというのが理解しやすいと思います。
ゴールキーパーの基本を覚えて得点力アップ!?
シュートに対する構え方として手の位置は下に構えるのが基本ということは、逆の視点で考えると、フィールド選手はそのゴールキーパーが手が届きにくい場所を狙えば、得点力が上がるということにもなります。
手が一番届きにくい下方向を手でカバーしているということは、二番目に時間がかかる上方向はカバーできていないということになります。
実際プレイしていると、上方向の速いシュートとかが飛んでくると追いつかなくて防ぎにくいのはたしかですね(^^;
加えて、顔横付近も対応しにくいですね。
ただし、しっかりコントロールするのも難しいので、守る上ではある意味そのコースは捨てている気持ちもあります。
そのため楽にそのコースを狙わせないように、ディフェンスにきちんと指示をだしてマークつけさせたり、自分で対応しなければいけない時はコースを消す為に前に詰めたりして工夫しています。
相手選手がテクニックを磨いてゴールキーパーの実力の上をいくか、反対にゴールキーパーがポジションを先に取り、反応速度を上げるかの勝負になってきます。
こういう駆け引きがあってこそ、フィールド選手の得点力とゴールキーパーの技術をさらに高めることになり、サッカーレベルが必然と上がってくる要素にもなりますね^^
おわりに
以前にもこの話題少し触れましたが、読者も増えてきたので、もう一度再認識ということで取り上げましました^^
今はゴールキーパーコーチやゴールキーパー専門トレーニングなども盛んに行われているので、昔ほど誤った基本姿勢の知識などは少なくなったけど、まだまだ理屈も踏まえた基本姿勢を教わる機会が少ないと思っています。
少しでも多くの人に理解が進むようにしたいですね。
シュートに対してだけではなく、味方が押し込んでいる時間帯時でも、いざという時にすぐに切り替えれるように、胸より下方向に手の位置は置いていた方がいいですね。
細かい動作ひとつでも、いざという時にその差が出てくることはよくあります。
大事な試合で大きな失敗をしないためにも、身につけたい大切な技術だと思います。
それでは今日はこのへんで
ご拝読ありがとうございました
了
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