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北の大地の南側から

サッカーとフットサルを中心にスポーツの話題を、時には楽しく、時には厳しく記していくブログです。

【サッカー】熱戦が続くアフリカネーションズカップも16強が決定!アフリカサッカーの歴史とサッカー的地政学

こんにちは! Nishi です。

 

来週からワールドカップアジア最終予選が再開されるということで、代表チームの話題も多くなってきました。

 

一方で、現在リーグ戦真っ只中の欧州各国のリーグ戦の話題も欠かすことがないですね。

 

そして、今月は前回も取り上げたアフリカ最強国を決めるアフリカネーションズカップが開催されており、ベスト16が出揃いました。

www.goal.com

本命国の順当な勝ち進みもあれば、前回王者のアルジェリアの敗退など、驚きの結果もありますね。

 

さて、そのアフリカネーションズカップですが、アフリカの国といえば、ガーナやコートジボワール、ナイジェリアなどいわゆる黒人選手の圧倒的な身体能力バリバリの選手ばかり…というイメージが真っ先に浮かぶと思います。

 

しかし、アフリカの国といっても東西南北に広く、地形や気候も様々なので、たとえいわゆる黒人が多い国でも特色が違ったりします。

 

そこで簡単ですが、アフリカ諸国の地域や文化的に見た特徴、サッカー的地政学とでも言いましょうか、そういったものを紹介したいと思います^^

 

組織的かつ老獪なサッカー

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北アフリカから見ていくと、まず北アフリカの国といえば、エジプト、アルジェリア、リビア、チュニジア、モロッコが上げられますね。

 

この国々の特徴と言えば、ヨーロッパに近いこととイスラム教徒が多いアラブ系と呼ばれている国ですね。

 

エジプト文明があった頃から始まり、イスラム帝国やオスマン帝国など古代から近代まで、世界史的にも巨大国家が成立し多民族国家とはいえ、それなりにまとまっていた地域でもあります。

 

そして地理的にもヨーロッパに近い為、組織的なサッカーをする傾向が強い地域ですね。

 

同じ組織的サッカーでも、シンプルな速攻スタイルが多いかな。

 

この地域はあまりワールドカップに出場しているイメージは少ないかもしれませんが、決して弱小地域ではなく、エジプトは3度出場しているし、アフリカネーションズカップも最多の7回優勝しております。

 

クラブレベルでもエジプト勢の優勝16回を皮切りに、北アフリカ勢が多いので、組織力では他のアフリカ勢より勝っているのかなって考察しています。

 

近年はこれから紹介する西アフリカ勢に押されがちですが、最近はリヴァプールのエースでもあるエジプト代表のサラーやマンチェスターシティを支えるアルジェリア代表マフレズなど、ビッグクラブのレギュラークラスを輩出するなど、選手個人レベルでの成長が今一番著しい地域かもしれませんね。

 

ただ宗教紛争が多い地域でもありますので、政情不安に左右されがちなところがサッカーの成長を鈍らせてるとこがあるなぁって個人的には思います(^_^;)

 

逆に、社会が安定すれば今後もおもしろい存在かなって思います。

 

欧州勢の視線が熱い豊富な人材供給地

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ガーナやコートジボワール、ナイジェリアに代表される西アフリカ地域は、主にフランスやイギリスの旧植民地地域ですね。

 

学術的には、西アフリカからサハラ砂漠の以南地域を指すらしいのですが、僕個人的見解のサッカー的地政学では、旧ベルギー領のコンゴあたりまでを西アフリカ地域かなって思っています。

 

この地域は、僕ら日本人が感じるアフリカの国といえば?的な国々ですね。

 

身体能力が高く、豊富な運動量と瞬間的なスピードやバネを武器にピッチを右往左往駆け巡り、ゴールに襲いかかるイメージですかね。

 

この地域は、奴隷貿易の拠点でもあり、また象牙や金やダイヤモンドなどの金鉱山、そして天然資源が豊富な事もあって植民地経営と貿易の拠点にもなっていました。

 

ヨーロッパ各国の宗主国は、本国と植民地との貿易で行き来する時に、同時にサッカーも伝来していき、貿易港を中心にサッカーが広まりクラブチームが出来上がってきました。

 

西アフリカでも比較的サッカーが強い、ガーナやナイジェリア、コートジボワール、カメルーンはこの流れを組んでいますね。

 

日本でも、サッカーが初めて伝来されたと言われている、神戸と横浜も国際貿易港だったのも共通していますね。

 

また西アフリカ諸国は、仕事を求め宗主国への出稼ぎや移民も多く、その子供達がイギリスやフランスでサッカーを学び実力をつけていきました。

 

80年代頃までは、まだまだ黒人差別が多かった時代ということもあって、爆発的なブームは到来しませんでしたが、徐々に黒人選手の実力もつき始め、ロジェ・ミラトーマス・ヌコノらを要してカメルーンが90年代前半に躍進します。

 

この頃から欧州各国リーグは、西アフリカ諸国の選手達にも目をつけ、移民二世などは自国の代表にも抜擢するようになります。

 

移民二世を積極的に取り込んだイングランドやフランスに至っては、ヨーロッパ選手権や自国開催のワールドカップで優勝を飾るなど結果も出しました。

 

個人の活躍としては、バロンドールを獲得したリベリアの怪人ことジョージ・ウェアや、アフリカ諸国初の金メダルを獲得したナイジェリアなど躍進し、西アフリカの時代到来も予感させる勢いでした。

 

現代もこの地域から優秀な人材を輩出し続けており、欧州各国のクラブとしては、重要な地域のひとつとして欠かせない存在になっています。

 

ただこちらも政治的社会基盤の脆弱性が足を引っ張ています。

 

サッカー協会が汚職に走り、選手への報酬の未払いが発生したりとサッカー以外のトラブルが度々話題に上がります。。。

 

また植民地時代の影響で、宗主国の都合で国境線や生活環境が決められため、民族間での摩擦がチームの結束力を弱めている背景もありますね(^^;

 

地理的要因と政治的な複雑性

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東アフリカ諸国といえば、エチオピア、ケニア、ソマリア、タンザニアが上げられますが、こちらも黒人が多いイメージですけど、代表するサッカー選手は?っと言われればほとんど名前が出てこないと思います(^^;

 

最近だとJリーグで大活躍したケニア代表のオルンガこそいますが、オルンガ以外はほとんど聞きませんね。。。

 

この地域は山岳地帯が多く、また植民地時代を支えた貿易の為に立ち寄る寄港港が少なかったという背景もあります。

 

今ではエジプトのスエズ運河が開通してヨーロッパからアジアに向けての航路は確立しており、東アフリカの港湾もそれなりに発展していますが、当時はスエズ運河も開通したばかりでもっぱら主要航路は、西から南アフリカの喜望峰を周りインドやアジアに向かっていました。

 

その為西アフリカほど港湾都市は多くなく、サッカーが広まるスピードが遅かった要因のひとつとして僕は考えています。

 

また、アフリカ最高峰を誇るキリマンジャロにも連なる山岳地帯の特性ゆえに、持久力が高い選手が多いので、マラソンなど陸上長距離競技に比重置いてるのかもしれませんね。

 

そのため身体の線が細い傾向があり、身体をぶつけ合ういわゆるフィジカル勝負もあるサッカーでは、分が悪いのもあるかもしれませんね。

 

山岳高地国でワールドカップにも出場する国としては、南米のペルーやエクアドルくらいだし、あとはメキシコくらいかな。

 

南米諸国の国は、サッカーの伝来も早く、そのためサッカーに関する組織的な戦術などの習得も早かったので、東アフリカ諸国も組織だった力がつけば、化ける可能性はあるかなっていう持論はあります(^^;

 

南アフリカ方面に目を向ければ、こちらはモザンビークマダガスカル以外はほとんどイギリスの植民地だったこともあり、サッカーよりラグビーの傾向が強いですね。

 

ラグビーワールドカップのアフリカ代表といえば、南アフリカナミビアが独占していますね(^^;

 

理由としては、後にも書きますが、白人至上主義が強くここを統治していた人がラグビーをやっていた人が多く、サッカーよりラグビーを嗜んでいたことが多かったという説がありますね。

 

その為ラグビーは白人&黒人混同チームが多いけど、サッカーの代表はまだ黒人主体が多いのはこういった背景があると思います。

 

しかしそうは言っても、サッカーのワールドカップ出場する国と言えば、南アフリカくらいしか聞いたことがないと思います。

 

この地域は、内戦がいまだに多く、政情不安定な国が多いです。

 

モザンビークジンバブエの内戦もそうだし、サッカーやラグビーなど度々国際大会が開かれる南アフリカでさえ殺人事件発生率が高かったりと、治安もいいとは言えない国です(^^;

 

歴史的な背景を語ると、南アフリカで代表されるように、この地域は白人至上主義が強い植民地支配が横行していました。

 

南アフリカのアパルトヘイトや、ジンバブエのローデシア紛争も元々は苛烈な人種差別政策が発端で始まっています。

 

この地域がサッカーがあまり強くないのは、サッカーどころではない生きるか死ぬかの社会情勢が関係しているのかもかもしれませんね…

 

おわりに

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以上ざっくりまとめて見ました^^

 

アフリカは広いので、ざっくりし過ぎたかもしれませんね(^^;

 

リクエストだったり、機会があればもっと地域を絞ってまとめて深い解説もしたいと思います。

 

結構地域単位で見ると、いろいろ知らなかった背景も見えておもしろいもんです。

 

サッカーの技術的なことのプラスにはならないと思うけど、その地域の特徴や歴史的背景を見ると、僕らが悩んでいる問題の解決の糸口になるかもしれませんしね。

 

それでは今日はこのへんで

 

ご拝読ありがとうございました

 

 

 

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